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ゴロチマニア 

日比ようが勝手に稲垣吾郎さんを語ってます

稲垣吾郎ドラマ 六条伍銅シリーズ 王子様な生活②

 女優 三崎れい(34歳)が結婚。お相手は40歳のイケメン医師。そんな報道がワイドショーを賑わせた。マネージャーの吉川さんから連絡が入った。

「伍銅さん、多分今日の舞台制作発表会の時、三崎さんの事でコメントを求められると思うわ」

「う~ん、分かった。当たり障りのないコメント考えておく」

「12時に迎えに行くわ」

 僕は電話を切って、目を覚ますためにお風呂に入った。朝だからジャスミンの香りのバスソルトを入れた。音楽はゆったりブラームスで。ラインが入ったので開けてみる。三崎れいからだ。

『伍銅ちゃん、ご迷惑かけるかも  よろしくね』

 れいらしいと思う。

『大丈夫だよ。おめでとう  心から幸せを願うよ』

 れいとは8年程前から付き合い始めた。マスコミに気づかれて、何度か結婚間近の報道がされたが、付き合って6年で別れた。今でも連絡は取り合っている。いい友人の一人だ。れいの前にはモデルの万葉やアイドルの吉川淳奈、女優の本宮春香とも付き合った。れいが一番長かったが、れいの後に付き合ったエッセイストの朝日サキとも友人関係は続いている。どの女性も素晴らしい人たちだったが、みんな僕の素の部分を知ると、同じ言葉を口にした。

『あなたは素敵な人。でも私には無理』

 結婚したい。なのに相手がいないのだ。バスタブにつかりながら、これまでの女性たちとの思い出に浸った。

 そろそろ、あがるか。バスローブに身を包み髪の毛を乾かす。8割程度乾いたら、勢いよく水道の蛇口から出した水をポットに入れお湯を沸かした。紅茶を入れるためだ。紅茶は意外と汲みたての水道水が向いている。リビングの花が少ししおれているのが気になった。今風の大きくこんもり盛ったアレンジフラワーも好きだが、少ない花材で風流さを表現する生け花も好きだ。お茶を飲んだ後、少しフルーツトマトとチーズをつまんだ。着替えを済ませるとマネージャーが迎えに来てくれた。車に乗り込むと、三崎れいの記事を僕に見せてきた。

「これです。まあ伍銅さんのことは悪く言ってないです。『いい思い出があって、今があるので。私と彼のこれからの幸せを見守って下さい』ですって、大人だね」

 吉川マネージャーが感心したように言った。吉川さんは今年40歳になる女性だ。20代で結婚・出産し、33歳で離婚。シングルマザーとして、たくましく生きている。僕の担当になって5年になる。僕の理解度は80%くらいか。れいと付き合っていた頃も知っている。

れいは素敵な女性だったよ」

 僕は車の窓から流れる外の景色を見ながら言った。

「やっぱり伍銅さん、三崎さんと結婚すれば良かったんじゃないですか?」

「ふふふ・・、僕はそれでも良かったけどね。まあ当人たちしか分からないことってあるからね」

「そうですか・・・」

 

 僕の主演舞台の制作発表会が行われるホテルに到着した。これから1か月ほど稽古に入り、来月から公演される。舞台は年に1回程度行っている。最近は舞台の楽しさに目覚めた部分もある。直接お客様の反応が分かるのが魅力だ。ストイックな練習風景も好きだ。

 一通り制作発表が終わり場を立ち去ろうとすると、芸能リポーターが声をかけてくる。

「六条さん、三崎さんのご結婚についてはご存知でしたか?」

「三崎さんに一言お願いします!」

 予定通りちょっと立ち止まり、笑顔で僕は答えた。

「とてもおめでたい事で、僕もうれしく思ってます。お二人がお幸せになることを願っています」

「伍銅さんの方はいかかですか?」

 きたきた、おなじみの質問。と思いながらもカメラ目線で僕は答えた。

「僕ですか?フリーですよ。僕もいい出会いを待ってます。今日はありがとうございました」

 後はスマートに立ち去る。近づいてきた吉川マネが囁いた。

「カッコいいです」

 だって、僕はいつでも六条伍銅だから。