ゴロチマニア 

日比日向多が勝手に稲垣吾郎さんを語ってます

稲垣吾郎ドラマ アザーセンスⅡ 霊感心理カウンセラー 六条伍銅③

 立ち上がった真紀を見て、伍銅はせっかく掴みかけた心の箱が遠のいてしまう感覚に襲われた。

「これ以上仕事を休むと、せっかく嘱託になれたのに、クビになります。仕事も子供も失ったらどうやって生きていけばいいか・・・。もう部屋に戻っても良いですか?」

「・・・、そうね。六条先生、どうしましょう?」

 梨花が伍銅の方を見て困ったように聞いた。伍銅は左人差し指を額に当てて、真紀の心の箱を意識下で探ろうとした。

「駄目なんですか?」

 待ちきれないように真紀が少し語気を荒げて聞いてきた。

 伍銅は思った。真紀は何を隠しているのだろうか。何か嘘を言っているのか?

「石山さん。何か嘘をついてませんか?」

「えっ、嘘?なぜです。どんな?」

 伍銅は小さな動揺を感じた。

「大した事ではありません。ほんのささいな嘘なのかもしれません」

 その瞬間、真紀の心の扉が開かれた。フラッシュメモリーのように真紀が押し込めて、箱にしまっていたものが一気に吹き出て、伍銅の意識を取り巻いた。伍銅は事のあらましを知った。

「嘘なんて、みんなつくじゃないですか・・・。もう良いですか?」

「ええ。真紀さん、お疲れ様です」

 僕の言葉を聞いて、梨花は何かを悟ったようだった。

「石山さん、気を悪くしないでね。お仕事もありますものね。今日はお疲れさまでした」

 梨花が真紀を部屋まで送った後、面談室に戻ってきた。周囲を気にしながら、椅子に座っている僕に梨花が話しかけた。

「伍銅さん、何か分かった?」

「ああ。多分、ただ罪ではない。彼女の心の問題だ。ここで話して大丈夫?」

「そうね、場所を変えましょうか?」

「今日の夜、僕の家に来てくれないか?」

「・・ええ。分かったわ」

 梨花は少し躊躇ったが、了承した。

「来る時に、以前石山真紀が子供の事で相談した時の記録とか、調べて持って来て欲しいんだ」

「分かったわ」

「僕は、帰ってもう少し整理してみるよ」

 伍銅は病院を後にした。真紀のささいな嘘から、大きな出来事が起きた。伍銅は梨花が来るまでの間、伍銅が知った真紀の行動を彼女の深層心理と照らし合わせる作業を行うとした。