カウンセリングのビタミンC

生きると言う格闘技に一休みを。

なぜ若い教師は年上の女教師を殺してしまったのか

 最近のニュースから。

 北海道のO市で35歳の男性教師が、元同僚の47歳の女性教師を絞殺し雑木林に遺棄する事件が起きた。その後の続報で、二人はW不倫関係で、男性教師から別れを切り出したがもめて女性教師を絞殺すると言う最悪の事態となってしまった。ともに評判の良い教師で配偶者も子どももいる。今年の春まで同じ学校に勤務していたが、4月に2人とも移動になっている。女性教師の夫は、すでにその男性教師の存在を知っており、春の移動は不倫がすでに学校関係者や近しい人たちには知られていた事によるものだったのかも知れない。

 教師同士の不倫は珍しい事ではないらしい。実は教師は狭い世界で生活しており、結婚相手も殆どがお互い教師だったりする。結婚相手も不倫相手も同じ教師間で起き、何食わぬ顔で教鞭をとる。教師は聖人君子ではない。この事件とは関係ないが、いつもいじめの問題が起きると、教師や学校は問題のすり替えや、自己保身、隠蔽を繰り返す。私は個人的に教師を信用はしていない。勿論信頼できる先生もいる。だが自分の立場を冒してでも他者を守る教師は殆どいない。今、自分の子どもを教えてくれている先生は、表面上の正しきものを伝えているだけで、教師の生き方とは別物だと思った方が良い。

 とは言え、今回の事件は不倫の代償としては、余りに大きなものだったと思う。時系列を見ると、女性教師が家族にK市の病院(車で約3時間かかる)へ行くと嘘をつき、男性教師の指導する野球部の試合を見にO市(こちらも車で約3時間くらいかかる)へ行き、試合終了後夕方から21時くらいまで別れ話で話し合い、一旦男性教師は帰宅したが、女性教師が夜中の3時過ぎに男性自宅付近へ来たため、女性教師の車で二人は市内の商業施設の駐車場に移動し、そこで話をしたが、もめて男性教師は女性教師との関係に疲れシートベルトで首を絞め殺害したとされている。

 

 これは全くの予測でしかないが、女性教師の方がこの男性教師へ強い執着と依存があったと思う。男性教師の方は春の移動を機会に、物理的な距離が出来て冷静になりこのまま二人の関係も終了と考えていたのだろうが、女性教師の方は交際の継続を希望していたのではないだろうか?会いたいと言ってもはぐらかされてしまう事に苛立ちを覚えた女性教師は、男性教師が指導している野球部の試合を調べ、球場に足を運び男性教師との話し合いに臨んだのだろう。男性教師からの言葉は分かれるの一点張りだったのだろう。納得できない女性教師は、全部ばらすとか、なら死んでやるとか、そのような事を言ったのだろう。相手を引き留めたくてそういう言動や行動を起こすが、それが返って相手の気持ちを離れさせると分かっていても感情がそうさせてしまう。もう男性教師の方はうんざりだったと思う。一旦分かれて帰宅しても、女性教師からの電話やLINEは鳴りやまなかったと思う。夜中の3時過ぎには自宅近くまで押しかけている。こうなると男性教師も寝ていない状況だし、冷静な判断は出来ない状況だったと思う。再度二人で話をするが、最後は殺せるものなら殺しなさいよ!的な言葉があっただろうか。女性教師への愛情はすでに憎悪と嫌悪に変わっており、思いっきり首を絞めたのだと思う。動かなくなった女性教師を見て我に返った男性教師は何を思ったのだろう。お前が悪いんだ。そう思ったかも知れない。

 

 二人は大きな不倫の代償を払う事になった。

 女性教師は自らの命を失っただけでなく、自分の夫や子どもの未来も奪ってしまった。特にお子さんの苦しみは心中察するに余りある。女性教師の年齢からするとお子さんは中高校生か大学生の年齢だと思う。心のケアがされる事を祈るし、親と子どもは別の人格である事を私たち日本人は今一度認識すべきと思う。

 男性教師は教師と言う職業も、社会的信用も失った。多分離婚となり自分の子どもとは会う事もなくなるだろう。刑期を終えた後で、彼はどんな人生を送るのだろうか。

 

 不倫は不毛な偽りの愛だ。遊びと割り切れるならそれは個人の考えだが、その場合は不倫ではなく単なる浮気と言うべきか。

 どちらかの方が別れを切り出した時、もう相手の気持ちは戻らないと知るべきだ。執着と依存は判断力を鈍らせる。別れる時は感情論ではなく、理論的に話し合う必要がある。この人を失ったらすべてが終わると、執着する側はそう思いがちだが、実際はもっと大切な物が他にある事に気付いていない。この女性教師にとって本当に大切だったのは、自分の子どもであったはずなのだが・・・。

 

 不倫からは何も生まれない。出来る事は、良きタイミングでキレイに別れて、思い出を秘密の箱に入れたなら鍵を閉め、もう二度とその箱のふたを開けない事だ。