カウンセリングのビタミンC

生きると言う格闘技に一休みを。

自分の好きな味

 何を美味しいと思うかは、子どもの頃の食生活に左右される部分も多いように思う。本場の味、本来の味的な物が、本当に美味しいとはならない事も多い。

 

 例えば、私の母は、茹でたスパゲティをまず水洗いしてから、フライパンで油を引いて炒めて、俗に言うナポリタンを作ってくれていた。やや柔らかめの麺にケチャップがまとわりついた味だ。それがある頃から、スパゲティではなくパスタと言う言い方が当たり前になり、アルデンテが理想の茹で上がりとされ、茹で上がりをすぐにソースと和えるのが本当の作り方だし、麺を水洗いなんて邪道とされた。しかし最近、昔の母の作り方で作るナポリタンの方が美味しいように思えた。麺を水洗いするのは、日本の蕎麦やうどんを水で締めるところから来ているが、それが日本人には合っているように思える。柔らかめのご飯が好きな人もいれば、固めのご飯が好きな人もいる。スパゲティだって、必ずしもアルデンテではなく、ぶよぶよ麺が好きな人だっているはずだ。自分の好きな味で良いのだと思うようになった。

 

 セブンイレブンの「みかんの牛乳寒天」が2度に渡りプロのパティシエからダメ出しされた。だが、私の感覚ではみかんと牛乳を寒天で固める、この味はその通りの味で何も問題ないと思っている。むしろ缶詰の味がする方が調度良い位だ。そこに1品600円以上するような高級な味を求めてもいない。きな粉餅がきな粉餅で良い様に、みかんの牛乳寒天はそれで良いのだ。

 

 ワインを飲まない私にとって、ワイン通がお勧めするチーズやおつまみは、ちっとも美味しくない。癖が強いだけだ。お酒が苦手な私には、渋く苦い高価なワインより、豊浦スイートイチゴワインの方がよっぽど美味しく感じる。

 

 口に入れた途端溶ける高級なチョコレートも勿論美味しいと思うが、意外にも駄菓子屋さんに売っている、常温では溶けない準チョコレートも好きだったりする。

 

 ステーキにお醤油をかけた方が美味しいならそうすれば良いし、高級なフルーツ感たっぷりないちごジャムより、紙のカップに入っている100円のいちごジャムの方がパンには塗りやすく美味しかったりする。

 

 自分の好きな味に自信を持とう!